東京放送システム、R&D施設にNETGEARを採用

このケーススタディでは、Tokyo Broadcasting SystemのR&DベースであるTech Design Xが、NETGEARのAV over IPスイッチを最大限に活用し、未来のコンテンツ制作に取り組む様子をご紹介します。

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Erik Hoeboer

執筆者:

Erik Hoeboer, シニアマネージャー エンタープライズマーケティング ヨーロッパ

erik.hoeboer@netgear.com



会社名: 東京放送ホールディングス

業種: Broadcasting

企業サイト: techdesignlab.net/X

所在地: 日本・東京




オープンイノベーション/R&D拠点でコンテンツ制作力を強化



Tech Design Xは、東京・赤坂にある東京放送ホールディングス(TBS)グループが運営するイノベーションスペースです。従来の放送の枠組みにとらわれず、最新テクノロジーと優れたデザインを組み合わせて未来のコンテンツを創造することを目指したR&D拠点として、2023年3月末にオープンしました。

Tech Design Xには、TBSグループの技術スタッフや美術スタッフが常駐しています。開放的な空間を活かし、リモート番組制作やバーチャルプロダクション、カメラトラッキングの検証といった先進的・革新的な取り組みから、コンピュータグラフィックス(CG)制作や映像編集といった日常業務まで、幅広い活動の拠点となっています。

リモートプロダクションは、遠隔地とスタジオをIPネットワークで接続する手法です。スタジオ側からカメラを遠隔操作し、映像をスイッチングすることで、遠隔地に必要な機材や人員を削減できます。
バーチャルプロダクションは、スタジオ内で大型・高精細LEDスクリーンに表示したコンピュータグラフィックス(CG)映像と、手前の実写映像を同時に撮影し、合成シーンを制作する手法です。従来のクロマキー合成よりも、よりリアルな合成映像を実現できます。

TBSテレビ メディアテクノロジー局 未来技術デザイン部の永山智美氏は、Tech Design X立ち上げの背景について次のように説明します。「TBSグループは、2030年のグループ経営ビジョンとして、『放送の枠を超えて、コンテンツを無限大に広げていく“最高の時間”を提供する』ことを掲げています。私たちのコアバリューはコンテンツを生み出すことにあり、地上波放送の枠を超えてコンテンツ制作力を拡張していきます。そうした考えのもと、イノベーションスペースとして生まれたのがTech Design Xです」。

Tech Design Xは、TBSグループ内だけでなく、外部企業や大学、その他の研究・教育機関、フリーランスのエンジニアやクリエイター、学生などとも連携しています。コンテンツ制作技術の実証に加え、ハッカソンや技術体験会、研究開発成果の発表会といったイベントを通じて、一般にも開かれた施設として活用されます。これらの施設間はIPネットワークで相互接続されており、映像・音声データの伝送や制御が可能です。




NETGEAR AVスイッチとWiFiアクセスポイントがTech Design Xの挑戦を支える理由



Tech Design Xでは、その野心的な取り組みを実現するため、現在2台のNETGEAR AVスイッチを導入しています。1台目のM4250-40G8F-PoE+(GSM4248P)は、施設オープン時の2023年春に導入されました。しかし、ネットワーク機器の選定に携わった原拓氏は、「選定を始めた当初は、NETGEARという名前すら知りませんでした」と振り返ります。

Tech Design Xは、映像伝送プロトコルとしてNDIを利用するリモートプロダクションスタジオとして使われることもあります。NETGEAR AVスイッチにはNDI向けに最適化されたネットワーク設定(プロファイル)があらかじめ組み込まれており、NDIに最適な設定をワンクリックで適用できることが分かりました。「選定の際にはさまざまなメーカーの製品を比較しましたが、NETGEARには“NDI Ready”なスイッチがあると聞きました。映像業界向けに特化したスイッチを用意しているメーカーはほかになく、私たちの要件に合う製品だと感じました」と原氏は語ります。

これまでも他社製スイッチで映像伝送を行っていましたが、コマンドラインでの操作が必要で、スイッチの動作状況が分かりにくいという課題がありました。「トラブルの原因切り分けが難しかった」と当時を振り返ります。NETGEAR AVスイッチには、AVインスタレーション向けに設計されたWeb GUIが搭載されており、スイッチの性能やトラフィック状況をひと目で確認できます。「ネットワーク伝送で映像が乱れた場合、スイッチやネットワーク、エンコーダーなど、さまざまな要因が考えられます。以前使っていたスイッチでは、原因の切り分けができませんでした。NETGEARの場合、管理画面でCPU使用率やパケットロス数などを簡単に確認できるため、原因の切り分けがしやすい。これがトラブル解消や今後の改善にもつながると感じています」と原氏は言います。

ちなみに、業界関係者から「NETGEARのスイッチは壊れにくい」という話を聞いていたことも、選定の後押しになったといいます。「定量的な評価ではありませんが、そうした評判はやはり安心感につながります」と原氏は笑います。このスイッチは合計480WのPoE+給電にも対応しており、NETGEAR製WiFiアクセスポイントや天吊りPTZカメラ、スピーカーなどを容易に接続できます。「PoE対応であれば、ネットワークと電源を別々に配線しなくてよい点も重要です」と原氏は続けます。

2台目として2024年2月に導入されたのが、10G/マルチギガPoE++に対応したM4350-40X4C(XSM4344C)です。大量の映像データをネットワーク接続ストレージ(NAS)に転送する用途に対応するため、マルチギガビットスイッチの追加が必要になりました。さらに、このモデルはNETGEARによってSMPTE ST 2110(放送機器向けIP伝送規格)対応をうたうM4350シリーズの2モデルのうちの1つであることも発表されていました。ポート数やPoE++の給電能力など、求める条件にも合致しており、最適な選択となりました。

「放送業界は今、同軸ケーブルによる映像伝送から、非圧縮映像をIPネットワークで伝送する方式へと移行している過渡期にあります」と原氏は語ります。「Tech Design Xにおいても、今後SMPTEを活用した検証が増えていくことが期待されており、このスイッチの導入は有効な投資になると考えました」。また、高速WiFiへのニーズの高まりに対応するため、Tech Design XではNETGEAR WAX630E AXE7800 WiFi 6Eアクセスポイントも導入しました。このトライバンド対応デバイスは、高いパフォーマンスと低レイテンシー、高速なデータ転送を実現し、新たな6GHz帯にも対応することで、より広い周波数帯域を提供します。




さらなる展開への期待



Tech Design Xは、これまでにない革新的なコンテンツ制作技術の研究開発に常に貢献しているR&D拠点です。永山氏は「将来的な拡張の可能性を考えると、何でもできるネットワークを導入しておいてよかったと思います」と語ります。

Tech Design Xのネットワークは光ケーブルで館内の他フロアと接続されているほか、建設中の新TBS放送センターや赤坂サカス広場とも接続されています。

今後、SMPTE ST 2110への対応がさらに進めば、これらの拠点からIPで映像を伝送し、Tech Design Xを中核に番組やイベントを運用することも可能になります。Tech Design XとNETGEARのProAVスイッチは、赤坂の街にエンターテインメントを届けるうえで、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

詳細を確認する:

当社のBroadcastソリューションおよび、SMPTE ST 2110に対応した NETGEAR AV LINE M4350 スイッチの詳細をご覧ください。



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